WEB(ECサイト)サイトにおける、物が売れるテキスト作り
以前私はECサイトのコンサルタントや運営を専門としていた事があります。
その時の経験から 現在のECサイトを運営するクライアントにも出来るだけのアドバイスをしたいと思っているのですが、ECサイトの商品登録は基本的にクライアントの作業になることから、ライティングに関してのアドバイスは予算の都合等からも、仲々できません。
商品のランディングページ等を依頼されれば、頂いたテキストをリライトしてよりよいページする工夫はしています。
しかしながら、やはり商品を手にとって原稿を書くことの出来るクライアントサイドが、良いテキストの書き方を覚えてしまうのが一番良い方法ですので、
少しアドバイスを兼ねた記事を書いてみたいと思います。
以前、ipadの購入を悩んでいた友人に何が良いのか聞かれました。
さて、貴方がipadの販売者だとして、この問に何と答えますか?
いや、販売者では無くてもいいです。貴方がipadユーザーで、ipadの良さを知っていれば良いのです。
正しい答えは、その友人に「じゃぁipad買ってみようかな!」と思わせる事が出来る言葉です。
難しいようで 実は簡単なトリックがあります。
では、どのような答えが良いのか考えてみましょう。
マーケティングにおけるUSPとベネフィットの違い
私は実は業界用語的な言葉が大嫌いです。
稀にクライアントと打合せをしていると、得意げに英語の単語を並べて話す方がいますが、私には、まったく分かりません。
対話をより効率的にするものならばいざしらず、意味のない用語は混乱を招くだけです。
私が一番素晴らしい話術(分かりやすい会話)は3歳児でも分かる言葉を使うということです。
これは、マーケティングにおいても、とても重要なことです。
ここにUSPとベネフィットの使い分けの秘密があります。
なんてことを言って、USPもベネフィットも業界用語じゃん!ていう訳なのですが この2つは最低限理解しておかなければならないので、敢えて使用させて頂きます。
では、そのUPSとベネフィットって何?
簡単に説明します。
UPSとは
USPとはユニークセールスポロポーション(Unique Selling Proposition)の略です。
商品やサービス独自の“売り”であり、顧客に対してアピールすべき機能・仕様・特徴のこと。他、競合商品との差別化や優位に立てる要素でもあります。
例えば、家電製品であれば一日あたりの消費電力等、デジカメならば何画素とか、数値で表す事のできるものが多いかもしれません。USPが優れたものであるのならば、それは商品の価値=ブランド化となりますが、それをアピール出来る商品や商品ジャンルは限られてくるでしょう。
ベネフィットとは
ベネフィット(benefit)とは簡単に言うと、その商品を購入したことによって、顧客の人生(生活)がどのように変わるかということを表した言葉のことです。
ベネフィットとは、顧客が製品やサービスを購買・使用することによって得られる価値、成果、効用のこと。
便益。便益価値。Benefit。顧客が製品やサービスを購買したり使用したりするのは、自分の必要や欲求を充足させるためであり、その際に顧客が求めているのは「モノ」それ自体ではなく、製品やサービスを通じて得られるベネフィットである。
「ドリルを買いに来た人が求めているものは、ドリルではなく穴である」という、セオドア・レビット(Theodore Levitt)の有名な言葉がある。
主に重要視されているのは、情緒的ベネフィットといい、顧客が商品を購入し、使用することで得られる心理的な満足や効用。
顧客は個々の生活スタイルを基準として、どのようなベネフィットを重視するかを決定し、購買意欲へと繋げます。
ではipadの購入を迷っている友人に何と言うか?
答えは一つではありませんが、基本的にUSP(画像が綺麗とか何GBだとかアプリがどうたらこうたら)は売りにはなりません。
そのような情報は、どこでも見ることが出来るし、物が溢れている世の中で、それを重要視するのは実はマニアックな事なのかもしれません。
なによりもアップルのサイトへ行けば全部掲載されていますからね。つまりUSPを使うことのできるのはメーカーだけということです。
そうです。顧客が求めているのは実はここなのです。これは顧客が直接知りたい情報ではありませんが、売り手が伝えなければならないのは、まずはここなのです。
つまりベネフィット=キャッチコピーでもあるということが ここで分かります。
では、前置きが長くなりましたが、私がipadの購入を悩んでいる友人に言った一言を紹介します。
「人生が変わる魔法の板だよ。」
とても大雑把な言い方ですが、私はそう思ったので、そのように言いました。
実際、私がipadを購入してからは、ツタヤに行かなくなり、動画は殆どipadを使用して見るようになりました。
それをベッドやお風呂で見ることが出来るようになり、プライベートの時間の使い方は大きく変わりました。
それ以外にも沢山使い道はありますが、ここでは割愛します。
友人が読書好きであれば、「持運びの出来る図書館だよ」とでも言ったかもしれません。
まるで彦摩呂さんの「まるで宝石箱やー」みたいですが、
このように、ベネフィットは、それを手に入れる事で君の人生はこうなるんだよ っていう説明なのです。
物を売るのも同じです。
それを手にする事で得ることの出来る恩恵=ベネフィット
それを いくつも並べるのです。一つでも顧客にマッチすれば落ちる(購入)でしょう。
例えば、テレビ通販で10分の番組を作る際には、会議でこのベネフィットをいくつも上げます。
その中から優れたものをピックアップして 番組の中で何度も何度も伝えるのです。
ある意味洗脳のようでもありますが、それが顧客の生活にマッチしていればいるほど売上は伸びるのです。
ベネフィットの使い方
ではベネフィットの使い方はどのようにすればいいでしょうか。
ECサイトで考えると、まずタイトルがあります。
次にメインビジュアル(アイキャッチ的な画像に入れるテキスト)があります。
次に見出し、そして説明文となりますが、
ここまでで、3つベネフィットを使える項目があります。
欲張り過ぎるのはよくありません。3つくらいを上手に使いまわして原稿を作りましょう。
まずは商品説明文を何も考えずに書き出し、
項目ごとにベネフィットを意識した見出しを付けていけば良いと思います。
ベネフィットを使うことで、それ以下の文章を読もうとする動機にもなりますし、また全体が見やすくもなります。
新聞を読む時に見出しを斜め読みするのと同じ原理です。
実はSEOにも有効的
又、このベネフィットを見出しにすることで、SEOにも役立つのです。
検索されるキーワードは商品名もそうですが、実は恩恵を受けるキーワード(熟睡出来る等)を入れて検索する事が多いからです。
このようにベネフィットはSEOでニッチなキーワードからのアクセスを稼ぐ事が出来、そのような顧客は購入率が高いのも特徴です。
大抵の商品タイトル等は、こういった部分が入っていませんし、逆に入れることでユーザビリティの問題も出てくるかもしれませんので、ページタイトル(商品タイトル)が長くなるのは好ましくありませんが、説明文の中に見出し(h2要素やh3要素)を作り、その中に使用するのは、SEO的に有効的な手法でもあります。
ただ商品を紹介するのでなく、愛する我が子を送り出す気持ちで紹介文を書きましょう。
うちの息子は こうですよ!っていう自慢ポイントがベネフィットです。